4・1 介護の商品化粉砕! 安倍極右政府打倒! 「障害者」解放! 「障害者総合支援法」施行7ヵ年糾弾闘争を闘おう

全国「障害者」解放運動共闘会議

 

 全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は来る4月1日、東京において「障害者総合支援法」施行7ヵ年糾弾闘争を闘います。2013年4月1日、「障害者」の〈自立と解放〉を阻む悪法である「障害者自立支援法」を一部「見直した」だけであった「障害者総合支援法」の施行から、今年で7ヵ年を迎えました。

 

 全「障」共は「障害者総合支援法」施行以降、全「障」共に結集する各地の「障害者」と共に〈「障害者」総合支援法撤廃! 「介護の商品化」粉砕!〉〈「障害者」差別糾弾!「障害者」と労働者階級との階級的共同闘争で闘おう! 安倍政府打倒!〉を掲げて、政府―厚生労働省を徹底糾弾する闘いとして取り組んで来ました。

 全国の闘う仲間に呼びかけます。「障害者総合支援法」撤廃を実力でかちとるべく、4月1日、厚労省糾弾闘争を共に闘おう!

 

 (1)

 「障害者総合支援法」をめぐっては、2018年4月1日から「法の一部改正」が施行されました。「改正」では「自立生活援助」「就労定着支援」「重度訪問介護について」「居宅での支援の新設」「保育所等訪問支援の対象の拡大」「医療的ケアを要する障害児について」等が加えられています。

 

 介護に関するものの中で、これまで入院時に受けられなかった介護支給を「医療機関への入院時も一定の支援を可能とする」としました。また「低所得の高齢障害者利用者負担について」は、「65歳に至るまで相当の長期間にわたり、障害福祉サービスを利用してきた低所得の高齢障害者が引き続き障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合に、障害者の所得の状況や障害の程度等の事情を勘案し、当該介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度により軽減(償還)できる仕組みを設ける」としました。

 

 しかし、「医療機関への入院時も一定の支援を可能とする」としたとしても、入院時の「一定の支援」が「本人の要請に基づいて支援する」のではなく、「障害者総合支援法」が規定する「障害支援区分」を基礎にした「重度訪問」を受けている「障害者」に限られています。それも決められた介護支給時間以外は増やさないなどと厳しく、また、それ以外の「障害者」は「入院中」に必要とする介護は望むべくもありません。

 

 すでに「障害者本人」の要望が認められないような事例は起きており、「重度訪問」を使用していた「障害者」の仲間が入院した際に必要な介護支給時間増を行政に要求したら、認められなかったという例や、また「重度訪問」の枠外で介護支給を受けていた「障害者」が入院した時に介護支給時間増を要求したら、「更に介護が必要なら施設に入ったら」と言われたという怒りの声が挙がっています。

 

 また「低所得の高齢障害者利用者負担について」は、「障害者の所得の状況や障害の程度等の事情を勘案し、当該介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度により軽減(償還)できる仕組みを設ける」としていますが、一時的に介護保険の「負担の軽減(償還)」があったとしても、「本人負担」になることに変わりなく、むしろ現状の「介護保険制度」優先原則の中で、かろうじて介護保険制度と「障害者総合支援法」とを併用して介護支給時間を得ている「障害者」からは「負担増」の危惧と、これまで両制度併用によって介護支給時間が実質的に削減されたという怒りの声が挙がっています。

 

 ヘルパー利用一つとっても、各都道府県、市町村によって差はあるものの、原則として「外泊でのヘルパー利用禁止」、「政治活動のための利用禁止」など、行政が策定した基準で禁止事項を作って「障害者」の行動規制をしていることにも変わりはなく、「障害者」が〈自立と解放〉を実現するための必要不可欠な諸活動を行なうことを困難にしています

 

 介護サービス」などの利用料の原則一割を本人が負担するという「応益負担」、介護支給時間を行政が決定する「障害区分」の導入により、「重度の障害」で介護が必要な人ほど負担増と介護支給時間が削減されるなどから、批判が集中した「障害者自立支援法」を引き継いだ「障害者総合支援法」の「改正」に期待を持つのは危険です。

 

 根本的に問題なのは、法「改正」の一つひとつではなく、「障害者総合支援法」そのものです。「障害者総合支援法」は撤廃あるのみです。

 

(2)

 「障害者総合支援法」は、「障害者支援区分」などで判定した「障害の種類・程度とそれに基づく生活状況」と、「介護支給時間」及び「介護種類別の単価」を定めています。「障害の程度・生活」が「家事・外出」などの「介護内容と単価」を決めることになるため、介護派遣事業所などは利潤追求の為に「高単価の介護」を求めており、「障害者」が望む介護とはほど遠いものとなっています。その一方で、「障害者自立支援法」制定時の「福祉産業へ市場原理・競争原理」の導入ー「競争の激化」により、介護派遣事業を停止した事業者も増大しています。また劣悪な労働条件を一要因として介護労働者数が激減していく中、限られた介護労働者数しか派遣できない事業所の都合によって。「障害者」が必要とする介護時間ではなく、わずかの介護しか派遣されないという状況も続いています。

 

 介護労働者と介護派遣事業所をめぐっては、政府は2019年10月から介護労働者を増やすことを目的とした「障害福祉サービス等報酬改定」なるものを施行しました。その骨子は、「①、2020年代初頭までに、50万人分の介護の受け皿を整備することとして、介護人材を確保する。②、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。③、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。また、障害福祉人材についても、介護人材と同様の処遇改善を行う。」というものですが、これを見る限り、介護労働者の間で経験・技能の有無と勤続年数による賃金、労働条件の格差と分断が生じ、介護職から離れる労働者が更に増えることは明らかであり、「障害者」の自立への道が介護者の不足によって更に困難になることも、これまた明らかです。

<共闘・共生>の原則的思想をもって、「障害者」解放闘争の飛躍をかちとる闘いの中で、介護労働者を組織していかなければなりません。

 

 

(3)

 「障害者」の〈自立と解放〉に向けた要求と、「支援費制度」―「障害者自立支援法」―「障害者総合支援法」と続く「介護の商品化」は対立するものであり、「介護の商品化」とは「障害者」と介護者との間に介護事業者という資本を介在させ、介護を資本の利潤追求の手段に変質させ、〈共闘・共生〉の条件を破壊していくものです。

 

 そもそも「障害者」の介護とは、介護が必要な「障害者」が営む生活を物理的に支えるということのみならず、「障害者」が「権利主体を有する人間」として自らの生活領域を広げ、〈自立と解放〉に向けた自主的な活動を支えるものであり、介護労働者も〈共生・共闘〉の立場に立って、それを共に担うものでなければなりません。

 

〈自立と解放〉〈共生・共闘〉の原則的思想を後景化させ。「障害者自立支援法」から「障害者総合支援法」に至る「介護の商品化」を軸とした「障害者」の〈自立と解放〉を阻む政府の攻撃性格を批判しえぬ多くの運動体がたどる道は明らかとなりました。2013年の「障害者総合支援法」の成立とともに「障がい者制度改革推進会議」が廃止されたにもかかわらず、「政府との改革協議」に期待を寄せた運動の誤りも、これまた一層明白となっています。

 

 「社会に適応できる障害者」「生産活動に従事できる障害者」のみを求める資本家階級の意を受けた政府と議会への法制度要求で、「障害者」の〈自立と解放〉を実現できると考えるのは、全くの幻想です。

 

 「介護の商品化」に反対せず、「障害者の自立と社会参加」や「自立と完全参加」なるスローガンを掲げる運動は、「障害者」がこの資本主義社会における経済活動や社会活動に、自らが「健常者」との格差を是正して参加させろと要求する運動です。したがって、その運動の「成果」は、資本主義社会の経済状態やそれに規定された政府の意向に左右され、ファシズム優生思想にとりこまれる危険性があります。 

 

 2013年6月に「障害者差別解消法」が安倍政府によって国会で成立し、2016年4月1日施行となりました。言うまでもなくこの「障害者差別解消法」は、あくまでも行政主導の下で「差別か否か」を判断し、「障害者」自身による差別糾弾闘争を圧殺・解体し、無力化しようとするものです。「障害者の自立と社会参加」や「自立と完全参加」なるスローガンを掲げ、政府と「協議」を重ねて「障害者総合支援法」に根本から反対し得なかった運動は、こうした「障害者差別解消法」にも、取り込まれていったのです。

 全「障」共は、あくまでも「障害者」の<自立と解放>を掲げ、差別糾弾闘争で闘う決意です。共に闘いましょう。

 

  (4)

 世界的規模の大恐慌と戦争に向かう情勢が深化する中、戦争ができる国家体制つくりと改憲・核武装に突き進む安倍政府のもとで、社会保障の縮小・切り捨てが進行しており、「障害者」への「介護サービス」だけが手厚く保障される制度なぞ実現できる訳がないのです。資本の利益を生む能力が高い者を「価値ある生命」とし、その能力の低い者を「価値なき生命」として排除・抹殺する優性思想を生み出す資本主義社会、所得などの格差の拡大を必然的に生み出すこの資本主義社会の変革なくして、「障害者」の解放はありません。「障害者」の解放は、資本の力によってではなく、労働者階級との階級的共同闘争を発展させるなかで実現できるのです。

 

 「障害者」の〈自立と解放〉とは、介護者との〈共闘・共生〉を培い、差別なき新たな共同社会=共産主義社会を実現していくものでなければならないのです。「商品化された介護」は、「障害者」と「健常者」とが介護を通して相互に交流し、共に闘い生きていく関係を作り出していくことを不可能にし、「障害者」解放運動を解体していくものです。しかも、「障害者」の介護が「資格をもつ人がお金をもらって行なう仕事」とされることにより、「ボランティア」による介護を求めることも成立しなくなります。〈差別からの解放〉を求めない「自立」の先に待つもの、差別糾弾闘争の牙を抜き取られた「障害者」運動の先に待つものは、差別に屈服した生き方と希望を奪われた未来です。「障害者」の〈自立と解放〉のスローガン、そして差別糾弾闘争こそが未来を切り拓く力です。

 

 私たち全「障」共とともに「障害者総合支援法」撤廃をかちとり、「介護の商品化」を粉砕しよう! 差別糾弾闘争を解体し・無力化する「障害者差別解消法」の撤廃をかちとろう! 「心神喪失者等医療観察法」撤廃をかちとり、保安処分施設を解体しよう! 「精神保健福祉法」撤廃をかちとり、「病棟転換型居住系施設」を粉砕しよう! 「脳死―臓器移植法」撤廃をかちとろう! 「安楽死・尊厳死」法制化を阻止しよう! 差別糾弾闘争の前進かちとり、「障害者」差別―抹殺攻撃を打ち破ろう!朝鮮反革命戦争絶対阻止!戦争ができる国家体制つくりと改憲・核武装に突き進む安倍政府を打倒しよう!

 

 

 

4・1「障害者総合支援法」施行7ヵ年糾弾闘争

日時 4月1日(月)

場所 東京・ニュー新ホール(JR新橋駅SL広場横、ニュー新橋ビル地下2階)

・主催 全国「障害者」解放運動共闘会議

集会後デモ