7・21入院患者差別・虐殺35ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾!宇都宮現地闘争が闘われる

 

集会への連帯アピール

 

 7月21日、全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)の呼びかけのもと、宇都宮市において、「入院患者差別・虐殺35ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争」が闘われ、報徳会宇都宮病院を糾弾する集会とデモがうちぬかれた。 

 

 集会会場である陽南第二公園には、闘う仲間が結集し、午後1時から集会が開始される。

 

 刑法改悪阻止関東活動者会議の仲間が司会に起ち、集会の始めにシュプレヒコールをあげる。「報徳会宇都宮病院入院患者差別・虐殺35ヵ年を糾弾するぞ!」「宇都宮病院を解体するぞ!」「石川文之進を糾弾するぞ!」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「『心神喪失者等医療観察法』撤廃!」「『精神保健福祉法』改悪を阻止するぞ!」の声が宇都宮現地に響き渡る。 

 

 最初に、全「障」共の下で格闘する全国の闘う諸団体から寄せられた連帯アピールを司会が代読する。 

 

 全「障」共全国幹事である沖縄の「精神障害者」の仲間からは、「『精神障害者』への差別と偏見を煽る風潮は、日に日に強まるばかりです。最近発生した『ひきこもり』の男による児童らへの大量殺傷事件を受けて、マスコミは連日のように『ひきこもり』という状態にある人達の存在を『何をするかわからない』存在であるかのように描き出し、そういった人達と『精神障害者』との因果関係をこと更に結び付けるような内容のテレビ放送や『ひきこもり』一般が何か悪いことであるかのように印象づけかねない内容のものがいくつも放送されました」「資本主義社会=階級社会が、人間本来の本質と上手くかみ合えるはずなぞありません。階級社会における個人主義や他者との生存競争などが人間本来の本質なぞであるはずがないのです。『共同性』の破壊、個人主義の横行の中で、そんな社会に違和感や嫌悪感を抱き『ひきこもり』がおきるのは、その人間の感受性が鋭い場合が多く、その鋭い感受性が階級社会を拒絶するがゆえに『ひきこもる』ことを否定できない。『精神障害』を発病している場合も確かにあるだろうが、何もそのこと自体が悪いことではない。また、そういった人間が訳もなく他者を傷つけるというのは、科学的根拠のない偏見に過ぎない」「沖縄は、『ひきこもる』人達が日本『本土』と比較しても非常に多い地域である。沖縄は『沖縄戦』による破壊が、戦後七四年経ってもその社会深部にまで及び、単なる土地や建築物の破壊に留まるものではなく、そこに生活する沖縄人の精神や心の深部にまで傷をつけてしまっている。街並みがいくら表層的に整備・再建されたと言っても、沖縄人の精神や心の深部への深い傷はそう簡単に癒されるものではない。加えて、整備・再建されていく現在の沖縄社会とは、日本『本土』的な社会である。『沖縄戦』での精神や心の深部への傷、それと沖縄社会への日本階級社会の戦前を上回る規模での侵入が、沖縄人の現在の沖縄社会への拒絶を生み、『ひきこもり』が増加する大きな要因となっている」「沖縄を含めた日本『全体』の『ひきこもり』と言われる人達を、『何をするかわからない』『精神障害』だから危ないと、差別と偏見を煽る日帝・安倍極右政府を糾弾していきましょう。『精神障害者』への差別と偏見を許さず、『精神障害者』虐殺をいまだに開き直るこの卑劣な『悪魔の精神病院』を共に解体していきましょう! 『障害者』解放を共にかちとっていきましょう! 沖縄―日本『本土』を貫く革命的共同で闘いましょう!」。

 

 「広島・『障害者』の解放を進める会」からは、「宇都宮病院は、『精神障害者』の人権を無視した病院です。宇都宮病院では患者の虐待や虐殺がなされました。そんな病院が今なお存在していることに対して、怒りを覚えます。絶対に許してはいけません。安倍政府は、2016年7月に起きた『相模原事件』を受け、『精神保健福祉法』改悪を狙っています。『措置入院患者の支援強化』の名目で、退院した後も行政や警察の監視下に置こうとしています。国家権力や厚労省による『精神障害者』に対する差別政策がますます強まっています。『精神障害者』に必要なのは、医療と介護体制と人と人とのつながりのある社会だと思います。『精神障害者』への隔離・抹殺政策と対決し、宇都宮病院解体の闘いへ突き進んでいきましょう」「私たち「広島・『障害者』の解放を進める会」も、全国の闘う『精神病者』『障害者』と連帯し、『心神喪失者等医療観察法』撤廃、改悪『精神保健福祉法』撤廃、『障害者差別解消法』撤廃、『安楽死・尊厳死の法制化』攻撃粉砕、『障害者』解放へ向け共に闘う決意です。共に闘っていきましょう」。

 

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「『釜ヶ崎労働者の会』は、全『障』共の構成団体として、『精神病者』差別、『障害者』差別を許さない闘いを取り組んでいます。2月16日には、1970年代に釜共闘で闘い、全国『精神病』者集団で闘っていた鈴木国男氏が大阪拘置所で虐殺されて42ヵ年を迎え、糾弾集会を多くの釜ヶ崎労働者の結集のもと、かちとりました。7月6日には、皆さんと共に『心神喪失者等医療観察法』施行15ヵ年を糾弾する闘いに決起しました」「『心神喪失者等医療観察法』は、『精神障害者は、再び犯罪を繰り返す可能性が高い』なぞというデマにもとづいて制定されました。科学的根拠も、事実もないにも関わらず、こんな法律ができるのは、社会の中に、『精神障害者』を『危険な存在』とする差別意識があるからです。それは、『心神喪失者等医療観察法』だけでなく、政府の『精神障害者』に対する政策全体に貫かれています」「このような差別意識、隔離・抹殺の政策と対決する闘いを、宇都宮病院糾弾闘争を闘いぬく中から爆発させようではありませんか」「日本最大の寄せ場・釜ヶ崎では、寄せ場労働運動の解体を狙った『センター機能縮小』攻撃がかけられ、ストライキを労働者の当たり前の闘いとして闘う労働組合である『関西地区生コン支部』を丸ごと潰すことを狙った弾圧が繰り返され、逮捕者は延べ70人を超えています。われわれは、これらの攻撃が安倍の戦時国家体制形成攻撃の一環として、労働運動の翼賛化を狙ったものであることをハッキリさせ、これを打ち砕き、『精神病者』差別、『障害者』差別と闘いぬく寄せ場労働運動の前進をかちとることを固く決意して、連帯のアピールとします」。

 以上のアピールが、全体の拍手で確認される。

 

全「障」共全国幹事会が基調提起

 

 全「障」共全国幹事会から基調が提起される。

 基調提起に起った仲間は、冒頭に「事件から35年が経過しているが、報徳会宇都宮病院をわれわれは絶対に忘れないし、絶対に許さない。宇都宮病院による入院患者差別・虐殺の実態と事実経過を再度確認し、差別・虐殺された患者さんの怒りや無念さを胸に刻み、怒りも新たに本日の闘いを闘いぬこう!」と呼びかけた。

 

 次に、宇都宮病院における入院患者差別・虐殺の実態と経緯を弾劾しながら明らかにする。「宇都宮病院に隔離・収容されていた安井健彦さんは、1984年3月、看護人らの暴行で2人の入院患者が虐殺された事実を告発した。宇都宮病院は、院長である極悪の差別者・石川文之進が、『精神病者』の強制収容・入院を柱とする差別法=『精神衛生法』(当時)を利用し、『精神病者』隔離・拘禁・虐殺の収容所として設立・運営してきた病院である。警察や福祉行政と癒着し、各地の病院に『手に負えない患者を引き受けます』とビラを配り、山谷の労働者などを中心に刈り込んで、勝手に『精神病』と診断するなどの強引かつ悪辣な手法で患者集めを行なうなど、宇都宮病院は、入院患者1000人の大病院に膨れ上がったのである」「文之進は、『ここは北関東医療刑務所だ』と豪語し、患者たちを入院の度ごとに『ヤキ入れ』と称して保護室に監禁したり、暴行を加えた。また、『作業療法』と称して、報徳冷凍庫など関連会社で、わずかばかりのタバコやラーメンと引き換えに奴隷労働を強制し、病棟の増・改築、文之進宅の造園、文之進が興じたゴルフの玉拾いにも患者を使役した。果ては、患者にレントゲンや脳波をとらせ、投薬はもとより注射や点滴を打たせるといった『医療行為』までさせていたのである。宇都宮病院での医療の実態は、皆無に等しく、約1000人の患者に医師は文之進一人、看護人も規定の半分もいない。病院の権威付け、宣伝も含めて東大医学部脳研究施設と癒着し、入院患者を研究材料として食い尽くし、『東大で脳が欲しいと言われると入院患者が死ぬ』と言われたほどである。宇都宮病院では、告発までの3年間だけでも222人もの入院患者が暴行・虐殺され、『不審死』と片付けられている」「3人の元入院患者たちが石川文之進を『傷害罪』で告訴したが、検察はこの告訴を無視して『傷害罪』での起訴をせず、裁判は、『行政法違反』のみに終始し、『医師法違反』すら無視するという文之進を守るための裁判として行なわれていった。石川文之進は、『2人の殺害と、222人の『不審死』が起こった病院の管理責任、『3人に対する傷害』の責任を一切問われぬまま、わずか1年の実刑となり、文之進は、1984年5月に精神衛生鑑定医の資格取り消しと、1987年4月には保険医の登録を取り消されたにもかかわらず、旧厚生省や栃木県行政が文之進の『医師免許を剥奪しない』という『不作為』の暴挙が成立したのである」「文之進は、自らのホームページで『虚言症の患者の作話をそのまま報道した大新聞を始め、多数のマスコミにより、誤り、歪められた当院の姿が何度も報道されました』なぞと患者虐殺を居直っている。石川文之進は、到底『反省』なぞしておらず、エラそうに振舞いながらのうのうと生き延びている」「2013年11月23日に、安井健彦さんが、東京都目黒区内の自宅で逝去されたが、安井さんは、毎年闘われる宇都宮病院入院患者差別・虐殺糾弾闘争には必ず参加し、集会では『宇都宮病院が何で今も続いているのか。その理由は3つある。一つは社会がいまだに容認していること! 三つにカネの力! 最後に警察だ! このようなことを許している限り、宇都宮病院はいつまでも続く。こんなことが通用するかってんだ! みんな頑張ってくれ。一人でも頑張ってくれ』と参加者に檄をとばしていた。さらに、死の直前まで『石川文之進だけは絶対に許さない』と宇都宮病院を糾弾していた。安井さんは、2013年12月22日に結成された全『障』共に加盟する意思を明らかにしていた。われわれは、安井さんの遺志を引き継ぎ、その怒りと闘いに応え、あくまで闘いぬこう」「石川文之進と宇都宮病院は、『利潤追求』のために、警察と一体となって『患者』を狩りこみ、到底、治療とは呼べないような『治療』と暴行を加え、多くの患者を差別・虐殺していった。宇都宮病院とその院長であった極悪の差別者・石川文之進を徹底糾弾しなければならない。そして、宇都宮病院の存続を今も容認している行政、厚労省―国家権力への怒りを叩きつけることである。宇都宮病院糾弾闘争の飛躍・前進を切り拓いて、宇都宮病院の解体まで闘いぬいていこう」。

 

 そして、最後に「精神障害者」をとりまく状況と「本日の闘いの位置」を明らかにした。「われわれは、安井さんが宇都宮病院を告発し糾弾した闘いを力に、宇都宮病院での患者虐殺を生み出した当時の日本の精神医療を糾弾し続けてきた。しかし、『精神衛生法』が『精神保健福祉法』に変わった今日においても『措置入院』や『医療保護入院』は存続し、一方では『心神喪失者等医療観察法』による保安処分が強制され、『精神障害者』は、隔離・抹殺政策のもとに置かれている」「これまで政府―厚労省が繰り返し行なってきた『精神保健福祉法』改悪の下で、医療現場の状況は悪化している。厚労省は、日本の『精神障害者』の数は約392万人としているが、2017年段階で約33万人が入院し、そのうち一年以上も長期に渡って入院させられている患者は一八万人を超えていることを明らかにした。また、新聞報道によると、精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた入院患者が、2017年度に全国で1万2千人強に上り、施錠された保護室に隔離された患者も1万3千人近くいたということである。この10年間で、拘束は1・8倍、隔離は1・6倍と増加している。患者団体や専門家からは、『実際には安易に行なわれ、長時間の拘束で死亡する例も出ている。人権侵害の恐れがある』との指摘が出ているとも報道されている。これとても〝氷山の一角〟でしかないのだ」「安倍政府は、新たな改悪『精神保健福祉法』の国会強行成立を狙っている。今回の改悪案は、2016年7月に起きた『相模原事件』を口実にして、『精神障害者』に対する監視の強化・徹底化を図る代物だ。『措置入院患者の支援強化』の名の下に、退院した『患者』をどこまでも追い回し、自治体、警察の監視下に置きつづけようというものだ。こんな改悪『精神保健福祉法』の国会での強行成立を許してはならない」「2018年6月中旬、全国の精神科病院で構成されている『日本精神科病院協会』の会長・山崎學が、協会機関誌5月号で『もはや患者の暴力は治療の問題ではなく、治安問題』などとし、『医者にも拳銃を』という部下の医師の意見を引用した文章を寄せていたことが報道された。山崎學は、文章で、部下の意見に『興味がある』と言い放っている。『治安管理』のためには精神医療・病院が、『精神障害者』を抑圧し隔離・抹殺する強制医療も含めた暴力装置としての機能を強化せよと言うことであり、保安処分攻撃の強化と『精神障害者』への隔離・抹殺を煽動するものである。断じて許すことはできない。これに表れされたように政府の政策が『精神障害者』隔離・抹殺に重点を置いていることは明らかである。われわれが宇都宮病院を糾弾し解体する闘いを頑強に続けることは、宇都宮病院による患者への差別・虐待を阻止し、国家権力の『精神障害者』隔離・抹殺政策と対決する闘いであることを確認して闘おう」「今こそ、差別糾弾闘争の飛躍をかちとり、全国の闘う『精神病者』『障害者』、そして医療労働者、福祉労働者をはじめとする労働者人民の闘いを発展させ、宇都宮病院を糾弾し解体しよう。反戦の闘いと結びつき、朝鮮反革命戦争阻止、改憲と戦争突撃の安倍政府を打倒しよう。『精神病者』解放闘争、『障害者』解放闘争の前進をかちとろう」。

 基調は、全体の拍手で確認された。

 

 

決意表明と戦闘的デモ

 

 続いて、結集した各団体からの決意表明に移る。

 「刑法改悪阻止関東活動者会議」の仲間は、「宇都宮病院入院に隔離・収容されていた安井健彦さんは、1984年3月、看護人らの暴行で2人の入院患者が虐殺された事実を暴露しました。一人の仲間は『メシがまずい』と言っただけで、もう一人の仲間は面会に来た家族に『ひどい病院だから早く退院させてくれ』と訴えただけで、鉄パイプや木刀で暴行され、虐殺されたのです」「宇都宮病院は、差別者・石川文之進が『精神病者』差別法(当時の『精神衛生法』)を利用し、『精神病者』を隔離・拘禁・虐殺の収容所として設立・運営してきました。警察や福祉行政と結びつき、各地の病院に『手に負えない患者を引き受けます』とビラを配り、山谷労働者を刈り込んで、勝手に『精神病』とするなどの強引な手法で患者を集め、入院患者1000人の大病院に膨れ上がりました。宇都宮病院を拒否すれば、暴行・虐殺を強いられました。告発までの3年間だけで、222人もの入院患者が暴行・虐殺され、『不審死』とかたづけられました。私たちは、この事実を胸に刻み、仲間たちの怒り、無念を晴らしていかなければなりません。当時の『精神衛生法』が『精神保健福祉法』に変わった今日においても、『措置入院』や『医療保護入院』は存続し、一方では、『心神喪失者等医療観察法』による保安処分が強制され、『精神障害者』は、隔離・抹殺政策の下に置かれています」「5月28日、旧優生保護法によって『知的障害』を理由に不妊手術を強制された宮城県下の女性二人に対して仙台地裁は、不当判決を打ち下ろしました。昨年、この二人の女性は、国を相手に『優生保護法は、憲法13条の幸福権追求に違反』『国に対する損害賠償』の訴訟を起こしていました。裁判長は、『障害がある人たちに不妊手術を強いた旧優生保護法は、個人の尊重や幸福追求権を保障した憲法13条に違反する』としつつも、『損害賠償請求』は棄却しました。つまりは、『旧優生保護法は違憲』だが、『賠償請求権が消滅している』『これまで優生保護法が違憲であるという司法判断がなかったので、国会で救済措置の必要がなく、国に責任はない』として、不妊手術を強制された女性二人の訴えを踏みにじったのです。徹底弾劾していかなければなりません」「『社会にとって価値なき生命』として、『障害者』と『ハンセン病』患者、難病の患者などを抹殺しようとする『旧優生保護法』の思想的基礎をなしていた優生思想との対決は、『障害者』解放闘争にとって重要な課題です。政府の優生思想―優生政策と闘っていかねばなりません」「私たちは、宇都宮病院を糾弾し、解体する闘いを頑強に続けることで、宇都宮病院による患者への差別・虐殺を阻止し、『精神障害者』隔離・抹殺攻撃と対決していきます。全国の『精神病者』『障害者』、そして医療労働者、福祉労働者をはじめとする労働者人民の闘いと連帯し、宇都宮病院解体の闘いを闘いぬいていきます。本日の闘いを全力で闘います」。

 

 東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「7月6日の旧武蔵病院に対する闘いに続いて、本日、多くの山谷の労働者が闘いに起ち上っています」「宇都宮病院は、『精神障害者』の人権を完全に無視し、入院患者を虐待し、虐殺した病院です。そんな病院が今なお大きな顔して存在していることを絶対に許すことはできません」「宇都宮病院などの精神病院は、ベッドの数が多いほど『儲けになる』制度によって、全国に数多く作られました。山谷の労働者が、宇都宮病院に狩り込みされ、入院させられたのは、ベッドを埋めて、利益をあげるために他なりません。それは、日本の政府の『精神障害者』に対する政策が、医療ではなく、隔離することを基本にしていたからです」「『病院』を名乗りながら、医療はなく、隔離だけを目的としているのが、多くの精神病院です。それを政府が政策として行ない、今も行なっていることを一日も早く無くさねばなりません」「山谷には、『精神障害者』に対する差別によって、地域から排除され、山谷に来るしかなかった仲間が多くいます。資本家に利益をもたらさない人間だから、『精神障害者』だから差別する、施設や病院に隔離するなぞということを、われわれは、絶対に許してはなりません。われわれは、『精神障害者』とともに闘う労働組合を作り上げねばなりません。今なお、『精神障害者』を差別し、『金儲け』のために利用する宇都宮病院を、絶対に許さない闘いとして、本日の闘いをやりぬこうではありませんか。東京・山日労は、その闘いの先頭に起ちます」。

 

 「全国反安保労研センター」の仲間が決意表明を行なう。「何故、入院患者を200人以上も虐殺した宇都宮病院が、未だに存続しているのか。全く許せません。普通なら廃院になっていて当然です。そうなっていないのは、『精神障害者』に対する差別と偏見があり、国の政策が隔離と抹殺だからだ。これを許さず、差別虐殺に居直り続けている宇都宮病院を徹底糾弾しよう」「『優生保護法』にもとづく不妊手術をめぐって、議員立法で『救済措置法』が成立したが、国と政府の責任を明確にしないまま、『一時金を出すから黙れ』というものだ。徹底して弾劾する」「『精神保健福祉法』の改悪で『精神障害者』に対する監視や弾圧を強めようとしています。天皇代替わりに対する『祝賀』の強制の中で強められる『精神障害者』に対する監視と弾圧を許さず、粉砕しよう」「参院選で、安倍は、消費税増税と改憲を公約にかかげ、『改憲議論をする政党か、しない政党か、どちらかを選ぶ選挙だ』と強調したが、これは、議会内野党や『連合』の翼賛化を見た上での発言だ。参院選後の改憲発議にむけた攻撃を許さず闘おう」。

 

 以上、患者虐殺を居直って存続し続ける報徳会宇都宮病院とその延命に手を貸す国家権力に対する怒り、報徳会宇都宮病院解体に向けて闘う決意に満ちた、すべての発言を、全体の拍手で確認する。 

 

 集会終了後、参加者全体で再度、シュプレヒコールをあげる。その後、仲間たちは、デモ隊を編成し、旗ざおを手に、報徳会宇都宮病院に進撃する戦闘的デモを開始する。報徳会宇都宮病院の正門へと進撃し、正門前に陣取ると、「入院患者虐殺35ヵ年を糾弾するぞ」「宇都宮病院を解体するぞ」「入院患者差別・虐殺を許さないぞ」「石川文之進を糾弾するぞ」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕」「『心神喪失者等医療観察法』撤廃」「『精神保健福祉法』改悪を阻止するぞ」「患者さん頑張れ」とシュプレヒコールをあげ、報徳会宇都宮病院への怒りを叩きつける。デモ隊は、存分に報徳会宇都宮病院への糾弾をやりぬき、解散地点である陽南第二公園までのデモを貫徹した。 

 

 

 最後に、全体でシュプレヒコールをあげ、全「障」共幹事会が簡単に「本日の闘いを力に、今後も『障害者』解放闘争を全力で闘おう」という集約提起を行ない、この日の闘争を終了した。