全「障」共全国幹事会が基調を提起
全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は、7月1日、「心神喪失者等医療観察法」施行13ヵ年糾弾! 保安処分施設解体! 対国立精神・神経医療研究センター(旧武蔵病院)デモを闘った。
集会の会場である小平市中央公民館に、全「障」共に結集して闘う「精神病者」「障害者」をはじめとした全国の闘う仲間が結集する。
午前11時、「広島「『障害者』」解放を進める会」の仲間の司会で集会が開始される。
冒頭、本日の闘いを断固として闘いぬくべく、シュプレヒコールが行なわれる。「『精神障害者』解放・『障害者』解放をかちとろう!」「『心神喪失者等医療観察法』施行13ヵ年糾弾! 対国立精神・神経医療研究センターデモを闘うぞ!」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「『安楽死』、『尊厳死』の法制化攻撃を粉砕しよう!」「改悪『精神保健福祉法』の撤廃をかちとろう!新たな改悪阻止!」「『病棟転換型居住系施設』構想を粉砕しよう!」「『成年後見制度利用促進法』、『改正民法及び家事事件手続法』撤廃!」「『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう!」「朝鮮反革命戦争突入絶対阻止!」「改憲と核武装に突き進む安倍極右政府を打倒しよう!」「全『障』共は闘うぞ!」と参加者全員から怒りのシュプレヒコールがあがる。
シュプレヒコールに続いて、宮城の「障害者への公的介護保障を求める会」で活動している全「障」共全国幹事から基調提起が行なわれる。
「2005年7月15日の『心神喪失者等医療観察法』施行から13年が経過した。これまでこの『法』の拡大適用が乱発され、『保安処分施設』に収容された人数も増加する中で、『精神病者』40人超が自殺に追い込まれたとされる。『精神障害者』差別にもとづく保安処分法である『心神喪失者等医療観察法』施行13ヵ年を糾弾し、闘う『精神病者』を先頭とした差別糾弾闘争の飛躍をとおして、『心神喪失者等医療観察法』撤廃をかちとろう。保安処分施設を全国に先駆けて建設した国立精神・神経医療研究センターを糾弾し、保安処分施設を解体すべく闘いぬき、これを突破口として、全国の保安処分施設の建設を阻止し解体しよう。『心神喪失者等医療観察法』施行を導水路として策動されている新たな保安処分導入を阻止し、刑法の改悪を阻止しよう」
「厚労省は、2016年7月に、発生した相模原の「津久井やまゆり園」での『障害者大量殺傷事件』を口実として、ますます『精神障害者』を『治安の対象』とする傾向を強めており『精神保健福祉法』の新たなる改悪を目論んでいる。……首相・安倍は、『法』改悪を『再発防止』と結びつける発言をしており、『謝罪・撤回すべきだ』として、『精神障害者』や各『精神障害者』団体、専門家らは、改悪案そのものを廃案にすべきだと主張している。どこまでも『精神障害者』を治安の対象としてしか捉えられない日帝や首相・安倍の『精神保健福祉法』の新たなる改悪を阻止しよう。そして、『精神保健福祉法』そのものの撤廃をかちとろう」
「六月中旬、全国の精神病院でつくる『日本精神科病院協会』の会長・山崎學が、協会の機関誌五月号で『もはや患者の暴力は治療の問題ではなく、治安問題』などとし、『精神科医にも拳銃を』という部下の医師の意見を引用した文章を寄せていたことが報道された。山崎學は、文章で、部下の医師の意見に『興味がある』としている。『治安管理』のためには、精神医療・病院が『精神障害者』を隔離・抹殺する暴力装置としての機能を、より強化せよと言うことだ。保安処分攻撃の強化と『精神障害者』への隔離・抹殺を煽動するものであり、許すことはできない」
「差別糾弾闘争と労働者階級との階級的共同闘争で戦時『障害者』差別―抹殺攻撃と全面対決しよう! 『安楽死、尊厳死の法制化』攻撃を粉砕しよう! 『精神保健福祉法』の撤廃をかちとり、新たなる改悪を阻止しよう! 『病棟転換型居住系施設』構想を粉砕しよう! 『成年後見制度利用促進法』と『改正民法及び家事事件手続法』の撤廃をかちとろう! 『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう! 朝鮮反革命戦争突入絶対阻止! 改憲と核武装に突き進む安倍極右政府を打倒しよう! 『障害者』差別を生み出す帝国主義を打ち倒し、共産主義社会の建設を通して『精神病者』解放・『障害者』解放をかちとろう!」。
基調は全体の拍手で確認される。
アピール紹介と結集した仲間の決意表明
基調提起の後に、本闘争に寄せられたアピールの紹介と結集した各団体からの決意表明に移る。
最初に、体調不良のために本闘争に参加できなかった全「障」共全国幹事である沖縄の「精神障害者」のアピールを司会が代読する。
「沖縄の『精神病者』を隔離・拘禁し、抹殺することを目的として、2007年1月より『心神喪失者等医療観察法』の沖縄での受け皿となっているのが、国立病院機構琉球病院である。国立病院機構琉球病院は、全ての沖縄の島々の『精神病者』隔離・拘禁そして抹殺のための『悪魔の精神病院』として、『南の地での受け皿』として存在しているのだ」
「在沖の日米軍事基地に多くの土地を奪われた沖縄社会は、すべての分野の産業構造の発展が、日本『本土』よりも著しく立ち遅れており、そのため働く場所が限られた環境にいる沖縄労働者人民は、劣悪な沖縄独特な労働条件も重なる中、『精神病』の『発病率』『有病率』は、日本『本土』の約2倍という多さである。また『沖縄戦』で受けた心の傷、精神の傷もいまだに根深く、『沖縄戦』が集結して73年の歳月が流れているにも関わらず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や統合失調症などの様々な精神的後遺症を患う人民が沖縄内部に多く存在している。こういった沖縄内部の全ての『精神病者』の存在を否定していると極論しても過言ではないのが『心神喪失者等医療観察法』である。日帝・厚労省は、沖縄労働者人民の苦悩を見ようとはせず、この『精神障害者』隔離・抹殺法を沖縄の地に浸透させようとしている」「ともにこの悪法の撤廃をかちとっていきましょう。国立精神・神経医療研究センターを始めとした、沖縄を含めた日本全国の同様の施設・病院を共に解体していきましょう。『精神障害者』差別・抹殺を狙う日帝・安倍極右政府を共に打倒しよう」。
続いて、結集した各団体からの決意表明に移る。
「刑法改悪阻止関東活動者会議」は、「先日、全国の精神病院でつくる『日本精神科病院協会』の会長・山崎學が、協会の機関誌5月号に寄せた文章で『もはや患者の暴力は治療の問題ではなく、治安問題』などとし『精神科医にも拳銃を持たせてくれ』という部下の医師の意見を引用していたことが発覚した。意見は、医療現場での患者の暴力に言及したものだが、『精神障害者を危険な存在』と決めつけて。保安処分攻撃をさらに強化し、『精神障害者』への差別―抹殺を煽動するものに他ならないものであり、絶対に許すことはできない」「2018年1月30日の毎日新聞によれば、1948年から1996年の『旧優生保護法』下で『知的障害者』や『精神病者』などへの強制不妊手術が強行されていたと報道されている。同法は、『不良な子孫の出生防止』を目的とし、『医師が必要』と判断すれば『都道府県』の『審査会』の決定を経て、『優生手術』として実施してきたものだが、旧厚生省は、『本人の意見に反しても行なうことができる』として、『本人同意がなくとも手術の強制は可能』と通知していたのだ。同意のないまま『優生手術』を強制された人は、明らかになっただけでも全国で1万6475人にのぼっている」「資本の利益を生む能力が高い者を『価値ある生命』とし、その能力の低い者を『価値なき生命』として、排除・抹殺するする『優生思想』を必然的に生み出すこの資本主義社会の変革なくして『障害者』の解放はありえない」「安倍政府が戦争へと突き進む中、『精神障害者』を治安の対象として隔離・抹殺する攻撃が強化されている。戦時『障害者』抹殺攻撃を粉砕していこう。『心神喪失者等医療観察法』の撤廃をかちとり、保安処分施設の解体を共にかちとっていこう」。
国立精神・神経医療研究センターへ怒りのデモ
「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、「寄せ場には『精神障害者』の仲間がたくさんいる。『精神障害者』の仲間たちへの差別を絶対に許さない闘いをつくっていかなければならない」「安倍政府は、『精神障害者』を治安管理の対象として隔離・抹殺を強めようとしている。『精神障害者』を一生閉じ込めておく『心神喪失者等医療観察法』の撤廃をかちとろう! 保安処分施設を解体しよう! 共に頑張ろう。これからも釜ヶ崎で『障害者』差別を許さない闘いを闘い抜く」。
東京・山谷日雇労働組合は、「『心神喪失者等医療観察法』は、『精神障害者は危険な存在』という差別キャンペーンと差別意識を利用してつくられた。一日も早く撤廃をかちとらなければならない。またこの『法』は、医療の専門家でもない、素人の裁判官が『再び犯罪をやる可能性がある』などと決めつけ、『精神障害者』をいつまでも保安処分施設に隔離するものであり、これ自体が『精神障害者』の人権を無視している。許してはならない」「日雇労働者の労働組合運動は、『学歴がない』『家が貧乏だった』ことを理由にし、肉体労働を見下すような価値観を許していては成り立たない。また資本家に利益をもたらす人間を『価値ある命』とし、そうでない人間を『価値なき命』などとする考え方を許すわけにはいかない」「『精神障害』があるために、地域で生きることを許されず、山谷にたどりついた『精神障害』の仲間もいる。われわれは、差別によって地域から排除された『精神障害者』を仲間として団結し、差別を許さず、共に闘う」「安倍政府は、6月29日、『働き方改革』の法案を参院本会議で成立させ、日本の労働運動を戦争に協力する労働運動に転落させる攻撃を強めている。『反北朝鮮』の排外主義の煽動が、『精神障害者』に対する差別主義煽動が強まっている。この攻撃をを打ち破るためにも『心神喪失者等医療観察法』撤廃! 保安処分施設解体を掲げた本日の闘いは、大変重要だ。東京・山谷日雇労働組合は、その先頭で闘う」。
最後に、反安保労研全国センターが発言する。反安保労研全国センターは、「6月29日に、参院で『働き方改革関連一括法(一括法)』案の採決が強行され、可決―成立した。徹底弾劾する。国会での審議では、『残業代ゼロ化』の『高度プロフェッショナル制度』が焦点となったが、問題はそれだけではない。『一括法』は、これからの労働政策の目的を『労働生産性の向上』としている。『労働生産性の向上』とは、言い換えれば、『資本家や株主により多くの利益をもたらす』ということであり、労働者のための労働政策ではなくなるということだ。労働現場でこれを粉砕する闘いを闘いぬかねばならない。また、翼賛政党や翼賛労働運動を突破して闘う労働運動を建設することがますます重要になっている」「戦時『障害者』抹殺攻撃が強まる中、闘う「精神障害者」と団結して闘う労働運動を何としても建設しなければならない。反安保労研全国センターは、本日の国立精神・神経医療研究センターに対する闘いや、7月16日に闘われる宇都宮病院糾弾の闘いを闘う中から、これをやりぬくことを明らかにして決意表明とする」。
参加した闘う仲間たちは、寄せられた連帯アピールと各団体の発言を大きな拍手で確認していく。
集会を終えて、デモに出発する。デモ隊は、国立精神・神経医療研究センターに向けて進撃し、センター前では、怒りを込めて「『心神喪失者等医療観察法』施行13ヵ年糾弾!」「国立精神神経医療研究センター解体!」「保安処分施設解体!」「改悪『精神保健福祉法』撤廃! 新たな改悪阻止!」「『障害者総合支援法』撤廃!」「『安楽死』『尊厳死』の法制化粉砕!」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「『精神病者』解放・『障害者』解放!」「差別糾弾闘争と階級的共同闘争で闘うぞ!」「朝鮮反革命戦争突入絶対阻止!」「改憲と核武装に突き進む安倍極右政府打倒!」とシュプレヒコールを幾度も叩きつける。国立精神・神経医療研究センター付近の住民を始めとする労働者人民の注目を集める中、戦闘的デモを闘いぬいた。
全「障」共と結集した闘う仲間は、本闘争を力に「心神喪失者等医療観察法」撤廃に向けて闘いを進めていくとともに、7・16「入院患者差別・虐殺34ヵ年糾弾! 報徳会宇都宮病院糾弾! 宇都宮現地闘争に決起する決意をうちかためた。